本日はペンリン城(Penrhyn Castle)
ご紹介したいと思います。
情報・写真は5年以上古いものが大半ですので、
訪問や観光を予定している場合は
掲載している公式ホームページをご確認ください。

現存の建物は、ペンリン「城」と言われていますが、
王や女王が建てた城ではなく、
初代ペンリン男爵・リチャードペナントが所有したマナーハウス/邸宅です。
現在はナショナル・トラストという歴史的建築物の保護を目的とするボランティア団体の管轄となっています。

このゲートから敷地に入りますが、
実際の建物(邸宅)までは5~10分歩きます。

ある程度森の中を歩くとこのような建物が見えてきます。
まだ中には入れません・・・。

この家族はジャマイカで砂糖のプランテーションを所有しており、
たくさん奴隷を使うことでこの地域に豊かさをもたらしました。
得た富で出来上がったのがこの邸宅です。
中を見るとどれだけ豪華絢爛なのかが更にわかります。



チャペル、やたら滅多広い寝室や、
当時ではかなり高価な舶来品などが沢山書いてあります。
また、ペンリン城にちなんだ奴隷制や植民地主義については、
現在進行形で研究を進めているそうです。
初めてペンリン城を訪問した時に
興味深い逸話を聞いたので、概要を共有したいと思います。
建物の窓ガラスの一部に
ラテン語の落書きがあると思われていました。
しかし、ある日一人が
「これはラテン語ではなくて
文法的ミスがあるがイタリア語では?」と指摘し、
落書きの内容が解読できたと言われています。
そして、この落書きの経緯が分かったと言われています。
落書きの内容は次の通りです。
‘essere amato amando’ – “to be loved, whilst loving”
(愛されることで愛される)
謎の内容は、
この落書きがあるのは子供部屋なのですが、
一時的にペンリン一族の次女 アリスの寝室として
使われていた経緯から、
アリスが残したものではないかと考えられてます。
その理由は、アリスが一人の使用人(おそらく庭師)に恋をしてしまい、
それをよく思わない父親が二人を物理的にも離させるために、
離れた塔の部屋にアリスをいさせたのではとのことです。
事実かは不明ですが、
最終的にアリスは芸術家になり、未婚で生涯を閉じています。
かなり掻い摘んだのでちゃんとした内容が気になるかたは、
下記のBBCのリンクをどうぞ。
Penrhyn Castle Alice Douglas-Pennant ‘love story’ uncovered
この逸話を聞いたときに、ロマンチックだなと思いつつ、
「身分があると恋愛だけでなく
いろんなことにおいて自由が奪われるんだろうな」とか、
今の自分のポジションがいかに恵まれているのかを、
考えてしまいました。
ペンリン城を行った際は、
豪華な家具を見るのはもちろんですが、
学芸員さんにぜひ話を聞いてみてください^^
いろんなお話が聞けますよ!